4Kテレビで4K放送は見られないってホント?



考察

 

 

更に総務省では「本年8月(2016年)から、BS等4K・8K放送の試験放送が開始される予定です。この放送は、現在市販されている4Kテレビ・4K対応テレビで視聴することはできませんが、日本放送協会の各放送局などにおいて視聴することができます。」としています。

 

この背景ですが、現在販売されている4Kテレビにおいて、店頭では「2020年の東京五輪を4Kで観よう!」というようなセールスプロモーションが過熱気味に行われており、それに対する注意喚起と考えられます。そのままではBS衛星による4K放送の五輪中継は観られないからです。

 

発表自体は、言ってみれば現在の状況を解説しているわけで、現在発売中の4Kテレビを否定しているとは言えないのです。ただし、ちょっと混乱気味なのも事実です。

 

それでは消費者側としては、こうした発表内容をどのように考えればいいのでしょうか?おさらいしてみると、総務省が指摘しているのは、現在発売中の4Kテレビには、2018年に4K画質で実用放送を予定している「BS衛星放送用チューナー」が装備されていないという点です。

 

BS衛星による4K放送というのは、4K時代の基幹となる存在ですから、「発売中の4Kテレビで4K放送が見られない」というメディアの論調も、全くの間違いではありません。しかし、スカパー!4K、IPTVによる4K放送、インターネット経由での配信が開始されており、テレビ単体でこれらの映像を視聴できる4Kテレビも登場しています。

 

そういう意味では「4Kテレビでは4K放送が見られない」という表現は混乱を招く可能性もあるわけです。